薬学部の偏差値は30年でどう変わった?【2026】

この記事でわかること

  • 薬学部の偏差値がこの30年でどう変化してきたか
  • 2006年の6年制移行が偏差値と倍率に与えた影響
  • 「既設校」と「新設校」で明暗が分かれている理由
  • 2026年の財務省提言など、今後の薬学部を取り巻く状況

薬学部の偏差値は、この30年で大きく上下してきました。

結論からお伝えします。薬学部の難易度は3段階を経て、現在に至っています

「就職氷河期の人気」→「6年制移行での下落」→「大学ごとの二極化」という流れです。

特に2006年の6年制移行は、薬学部受験にとって最大の転換点でした。

さらに2026年には、財務省が薬学部の定員削減を提言するなど、新たな動きも出ています。

この記事では、薬学部の偏差値がたどってきた歴史と、その背景にある制度変更を解説します。

目次

1990年代〜2000年代前半|薬剤師人気で偏差値が上昇

1990年代から2000年代にかけては、就職氷河期の影響が大きい時期でした。

「手に職をつけられる」薬剤師の人気が高まり、薬学部の偏差値も上昇していきました。

景気の影響を受けにくい国家資格として、薬学部は安定志向の受験生から選ばれていたのです。

1990年代の大学受験をイメージした勉強道具
就職氷河期を背景に、薬学部人気は高まっていった

2003〜2008年|28学部が新設され、定員が急増

2003年度から2008年度にかけて、薬学部は28学部も新設されました。

入学定員が大幅に増加し、全体としての難易度は下がっていきました。

詳細は厚生労働省の薬学部関連資料でご確認いただけます。

2006年|6年制移行で受験生離れが加速

2006年、薬学部は4年制から6年制へと移行しました。

臨床能力を身につけられる制度でしたが、2年分の学費と時間の負担が重く感じられました。

その結果、受験生が薬学部を敬遠する流れが生まれました。

入試の競争倍率は、6年制移行前の最大8倍から、移行後は4.5倍〜2.4倍の範囲まで低下しました。

2007年には、私立薬系大学の5校に1校が定員割れを起こす事態にもなりました。

大学の門をくぐる受験生のイメージ
2006年の6年制移行は薬学部受験の転換点だった

「既設校」と「新設校」で明暗が分かれた

ここで見落とされがちなポイントがあります。

河合塾の近藤治氏の分析によると、歴史ある既設校の偏差値は、6年制移行後もあまり変わっていません

2014年と2022年の偏差値を比較しても、既設校では数ポイントの違いしかなかったといいます。

倍率低下の影響を大きく受けたのは、主に新設校でした。

偏差値は相対的な「位置付け」です。

上位層の受験者数に大きな変化がなければ、既設校の水準は保たれやすいのです。

近年は、都心の人気校で偏差値が上昇し、地方の一部大学で下降する「二極化」も進んでいます。

単純な「薬学部人気」ではなく、大学ごとの実情を見る必要がある時代になっているといえます。

特に、4年制の薬科学科を新設したり、教職課程を追加した大学では偏差値が上昇するケースもあります。

2026年|財務省が薬学部の定員削減を提言

2026年4月、財務省は薬学部の定員について「大胆な削減に踏み切るべき」と提言しました。

これは政府の正式決定ではなく、財務大臣の諮問機関による問題提起です。

背景には、薬剤師国家試験の合格者数の実態があります。

2012年以降、合格者数は入学定員の平均80.7%にとどまっています。

私立薬学部の約51%で、入学定員充足率が50%を下回っているというデータもあります。

実際に、姫路獨協大学や医療創生大学など、募集停止を発表した大学も出てきました。

厚生労働省の推計では、2045年に薬剤師が供給過剰になるとも見込まれています。

その規模は2.4万人〜12.6万人にのぼるとされています。

詳細は厚生労働省の公表資料でご確認ください。

将来の進路について考える受験生
2026年、薬学部の定員をめぐる議論が活発化している

今後、薬学部受験はどうなるか

定員削減が進めば、既設の人気校ではむしろ難易度が上がる可能性があります。

一方で、定員割れが続く大学では、依然として入りやすい状況が続くとみられます。

「薬学部は全体的に入りやすくなった」という数年前の情報は、すでに古くなりつつあります。

志望校を選ぶ際は、最新の偏差値・倍率・定員充足率を必ず確認しましょう。

最新のランキングは薬学部偏差値ランキングTOP10&ワースト5で確認できます。

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常に最新の情報に基づいてアドバイスすることを大切にしています。

指導実績の中でも、既設の伝統校と新設校の違いを踏まえた受験戦略には定評があります。

最新の受験情報を確認する高校生
最新の偏差値・倍率情報を確認することが重要

まとめ|薬学部の偏差値は「学校ごと」に見るべき時代

薬学部の偏差値は、就職氷河期の人気、新設ラッシュ、6年制移行を経て変動してきました。

ただし、既設の伝統校の難易度は実はあまり変わっていません。

2026年の財務省提言も踏まえると、今後さらに大学ごとの差が広がる可能性があります。

「薬学部全体」ではなく、志望校一校ごとの最新データで難易度を判断することが大切です。

直近の倍率動向は薬学部の倍率2026年最新版もあわせてご覧ください。

関東の偏差値動向は関東の薬学部偏差値ランキング2026で確認できます。

よくある質問(FAQ)

Q1. 薬学部の偏差値は昔より上がっていますか、下がっていますか?

A. 一概には言えません。既設の伝統校はほぼ横ばい、2000年代に新設された学校は下落傾向にあります。近年は都心と地方で二極化も進んでいます。

Q2. なぜ2006年の6年制移行で偏差値が下がったのですか?

A. 修業年数が4年から6年に延び、学費と時間の負担が増えたためです。受験生が敬遠し、競争倍率は最大8倍から4.5倍〜2.4倍まで低下しました。

Q3. 薬学部は今、入りやすいのでしょうか?

A. 大学によります。私立薬学部の約51%は定員充足率50%未満ですが、既設の人気校は依然として高倍率・高偏差値です。志望校ごとの確認が欠かせません。

Q4. 財務省の定員削減提言は決定事項ですか?

A. いいえ、2026年4月時点では政府の正式決定ではありません。財務大臣の諮問機関による問題提起の段階です。ただし、既に募集停止に踏み切る大学も出ています。

Q5. 定員削減が進むと、受験はどう変わりますか?

A. 全体の定員が減れば、既設の人気校ではさらに難易度が上がる可能性があります。一方、定員割れが続く大学との差は広がると考えられます。

Q6. 薬剤師の供給過剰は本当に起きるのですか?

A. 厚生労働省の推計では、2045年に供給過剰になる可能性が示されています。規模は2.4万人〜12.6万人です。ただし推計には幅があり、確定した未来ではありません。


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この記事を書いた人

寺沼 香太朗のアバター 寺沼 香太朗 薬学部受験専門塾PharmAssist代表

薬学部受験専門塾 PharmAssist (ファーマシスト)代表の寺沼香太朗です。
薬学部受験の主要科目である、英語・数学ⅠAⅡB III C・化学・生物・面接・小論文の指導を行っております。
薬学部に特待合格した指導力の高さと、薬学部に特化した受験ノウハウ、教育コーチングを活かした学習マネジメントが指導の武器となっており、薬学部を目指す全ての高校生をアシストすることを信念に授業を行っております。

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