【2027年度入試】岐阜薬科大学を徹底解説!偏差値・倍率・学費・国家試験合格率・推薦A/Bと中期日程の対策

「岐阜薬科大学って、偏差値はどれくらい高いの?」
「公立大学だから学費は安そうだけど、6年間でいくらかかる?」
「学校推薦型選抜AとBは、何が違う?」
「中期日程なら、ほかの国公立大学と併願できるの?」
今回は、岐阜薬科大学を志望している高校生と保護者の方に向けて、大学の特徴から入試対策まで徹底解説します。
こんにちは。薬学部受験専門塾PharmAssist代表のてら先生です。
岐阜薬科大学は、岐阜県岐阜市にある公立の薬科大学です。
私立薬学部とは学費が大きく異なり、一般選抜は国公立大学の「中期日程」で実施されるという特徴があります。
また、学校推薦型選抜には、共通テストを使わずに総合試験と面接などで選抜するA方式と、共通テストの成績を使うB方式があります。
この違いを知らないまま受験勉強を進めると、本来必要な科目の対策が遅れたり、出願できる方式を見落としたりする可能性があります。
この記事では、2027年度入試を受ける高校生に向けて、大学が公表している最新情報を中心に、入試方式、偏差値、倍率、学費、薬剤師国家試験、卒業後の進路、具体的な受験対策まで詳しく解説していきます。
岐阜薬科大学はどんな大学?
岐阜薬科大学は、岐阜市公立大学法人が設置する公立大学です。
名前がよく似た大学に「岐阜大学」がありますが、岐阜薬科大学とは別の大学です。
岐阜大学は国立大学、岐阜薬科大学は公立大学なので、受験するときは混同しないようにしましょう。
岐阜薬科大学の学部は薬学部で、現在募集されているのは6年制の薬学科です。
以前は4年制の薬科学科もありましたが、現在は募集していません。
そのため、現在の岐阜薬科大学では、6年制薬学科に入学し、大学で専門教育や実務実習を受けながら薬剤師国家試験の受験資格取得を目指すことになります。
ただし、岐阜薬科大学は単純に「薬剤師を養成する大学」というだけではありません。
医薬品の研究や開発にも力を入れており、薬剤師を目指しながら研究についても深く学びたい高校生にとって魅力のある大学です。
「病院や薬局で働く薬剤師になりたい」
という人だけでなく、
「製薬企業で薬の研究や開発にも関わってみたい」
という人も、一度詳しく調べてみてほしい大学です。
岐阜薬科大学のキャンパスは2か所ある
岐阜薬科大学には、主に2つのキャンパスがあります。
三田洞キャンパスと本部学舎です。
原則として、1年次から3年次までは三田洞キャンパス、4年次から6年次までは本部学舎で学びます。
つまり、大学生活の途中で主な通学先が変わります。
ここは、一人暮らしを考えている人にとってかなり重要です。
大学入学時に三田洞キャンパスの近くで部屋を借りた場合、4年次以降の本部学舎への通学時間も確認しておく必要があります。
逆に、本部学舎周辺に住む場合には、1年次から3年次まで三田洞キャンパスへどのように通うかを考える必要があります。
「大学の近くに住めば大丈夫」
と考えるのではなく、6年間でキャンパスが変わることまで理解したうえで住む場所を決めましょう。
オープンキャンパスへ行く際には、大学の建物を見るだけではなく、駅やバス停からキャンパスまでの移動時間や、周辺の生活環境も確認しておくことをおすすめします。
岐阜薬科大学には2つのコースがある
岐阜薬科大学では、6年制薬学科の中で、医療薬学コースと創薬育薬コースという2つの方向性が用意されています。
どちらも6年制薬学科の中のコースなので、創薬育薬コースを選んだから薬剤師国家試験を受けられなくなる、というわけではありません。
医療薬学コース
医療薬学コースでは、薬剤師として医療現場で活躍するために必要な知識・技能に加えて、研究力や問題解決力を身につけることを目指します。
病院薬剤師になりたい人。
地域の薬局で患者さんを支えたい人。
チーム医療に参加できる薬剤師になりたい人。
こうした将来像を持っている高校生は、医療薬学コースの学びを調べてみるとよいでしょう。
ただし、志望理由を考えるときに、
「病院薬剤師になりたいから医療薬学コースに入りたい」
だけでは少し弱いです。
なぜ病院薬剤師になりたいのか。
患者さんに対してどのような薬剤師になりたいのか。
そのために大学で何を学ぶ必要があるのか。
ここまで考えてみると、大学で学ぶ目的がかなり明確になります。
創薬育薬コース
創薬育薬コースでは、薬剤師としての専門知識を基盤としながら、医薬品の研究や開発などにも関わる人材の育成を目指します。
薬がどのように生まれるのか。
新しい医薬品をどのように開発するのか。
薬の効果や安全性をどのように評価するのか。
こうしたことに興味がある人にとって、非常に面白い学びができると思います。
ただし、創薬育薬コースを選択すれば、自動的に製薬企業の研究職になれるという意味ではありません。
製薬企業の研究職を目指す場合には、研究内容や大学院進学、企業ごとの採用条件なども関わります。
将来的に研究職を考えている人は、学部だけでなく大学院まで含めた進路を調べておくことをおすすめします。
岐阜薬科大学の偏差値は?
岐阜薬科大学を志望する高校生にとって、一番気になるものの一つが偏差値だと思います。
2027年度入試の予想ボーダーでは、岐阜薬科大学薬学部薬学科の公立中期日程は、偏差値60.0程度、共通テスト得点率は79%程度が一つの目安となっています。
ただし、偏差値60という数字だけを見て、
「自分は偏差値55だから無理だ」
「偏差値62あるから大丈夫」
と判断しないでください。
岐阜薬科大学は、共通テストと個別学力検査の両方で合否が決まります。
共通テストが得意でも、数学Ⅲを含む個別試験の数学が苦手なら厳しくなる可能性があります。
逆に、数学と化学がかなり得意でも、共通テストの国語・英語・情報などで大きく失点している場合には、合計点が伸びません。
岐阜薬科大学を目指す場合には、
模試の偏差値
共通テスト模試の科目別得点
数学の記述力
化学の記述力
数学Ⅲの完成度
などを分けて確認することが大切です。
「偏差値」という一つの数字だけでは、合格までに何が足りないのかは分かりません。
2027年度入試の募集人数
岐阜薬科大学薬学科の募集人員は120名です。
2027年度入試では、主に次の3つの方式で募集されます。
学校推薦型選抜Aが30名。
学校推薦型選抜Bが12名。
一般選抜の公立中期日程が78名です。
学校推薦型選抜Aの試験日は2026年11月23日。
一般選抜の個別学力検査は2027年3月8日に予定されています。
ここで覚えておいてほしいのが、推薦Aと推薦Bは、単純に同じ推薦入試を2回実施しているわけではないということです。
推薦Aと推薦Bでは、選抜方法がかなり違います。
どちらを受験するのかによって、必要な勉強も変わってきます。
学校推薦型選抜Aは共通テスト不要
岐阜薬科大学の学校推薦型選抜Aは、大学入学共通テストを利用しない推薦入試です。
募集人員は30名です。
選抜は大きく2段階に分かれています。
第一段階では、調査書、高校からの推薦書、志願理由書などの出願書類を使って選抜します。
第一段階を通過すると、第二段階として総合試験と面接を受けます。
総合試験では、高校で学習する英語と理科の基礎学力や理解力などが確認されます。
理科では、化学基礎・化学を中心とした対策が重要になります。
推薦Aは面接だけの入試ではない
推薦入試という言葉を聞くと、
「学校の評定と面接が良ければ受かる」
と思ってしまう高校生もいます。
しかし、岐阜薬科大学の推薦Aでは総合試験があります。
つまり、推薦を受けるからといって学力試験の勉強を止めることはできません。
特に英語と化学については、普段の受験勉強を続けながら、総合試験の形式に対応する必要があります。
面接練習だけに時間を使って、
「英語は最近ほとんど勉強していません」
「化学は夏から止まっています」
という状態にならないようにしてください。
出願書類も重要
推薦Aには第一段階選抜があります。
そのため、志願理由書などの出願書類も重要です。
志願理由書では、
「薬剤師になりたいです」
「岐阜薬科大学は国家試験合格率が高いから志望しました」
という内容だけではなく、自分自身の経験と大学で学びたい内容をつなげることが大切です。
薬剤師になりたいと思ったきっかけ。
自分がどんな薬剤師になりたいのか。
なぜその目標を岐阜薬科大学で実現したいのか。
大学で何を学びたいのか。
将来、その学びをどのように社会へ還元したいのか。
こうした内容を一つのストーリーとして整理していきましょう。
推薦Aの面接対策
面接では、回答を丸暗記することはおすすめしません。
もちろん、
「志望理由は何ですか?」
「なぜ岐阜薬科大学なのですか?」
「将来どのような薬剤師になりたいですか?」
といった定番質問への準備は必要です。
しかし、準備した文章を一字一句覚えてしまうと、少し違う角度から質問されたときに答えられなくなります。
大切なのは、自分の考えを整理しておくことです。
たとえば、
なぜ薬学部なのか。
なぜ薬剤師なのか。
なぜ岐阜薬科大学なのか。
医療薬学と創薬のどちらに関心があるのか。
高校生活で何を頑張ったのか。
その経験から何を学んだのか。
大学入学後にどんなことへ挑戦したいのか。
こうしたテーマについて、自分の言葉で説明できるようにしておきましょう。
また、岐阜薬科大学について調べる際には、大学の教育内容や研究内容まで確認してみてください。
単に、
「公立だから学費が安い」
「国家試験の合格率が高い」
という理由だけでは、ほかの受験生との差がつきにくいです。
自分の将来像と、岐阜薬科大学の学びがどこでつながるのかを考えてみましょう。
学校推薦型選抜Bは共通テストを利用する
学校推薦型選抜Bは、推薦Aとは大きく仕組みが異なります。
推薦Bでは、大学入学共通テストの成績を利用します。
大学独自の個別学力検査はありません。
2027年度の募集人員は12名です。
配点は、国語100点、数学200点、英語250点、地歴公民50点、理科200点、情報50点の合計850点です。
英語は特に配点が高く、250点あります。
そのため、推薦Bを考えている人は、
「薬学部だから数学と化学だけ頑張ればいい」
という勉強では足りません。
共通テスト英語でしっかり点数を取る必要があります。
また、国語、地歴公民、情報にも配点があります。
一つひとつの配点は大きく見えなくても、合わせると無視できない点数になります。
推薦Bを狙うなら、共通テスト全体の完成度を高めることが重要です。
2026年度の推薦倍率
2026年度入試では、学校推薦型選抜Aの受験者が126名、合格者が40名でした。
受験者数を合格者数で割ると、約3.2倍です。
推薦Bは受験者72名、合格者17名で、約4.2倍でした。
ただし、この数字だけを見て、
「推薦Aのほうが倍率が低いからAを受けよう」
と決めるのはおすすめしません。
AとBでは選抜方法が違います。
推薦Aは出願書類、総合試験、面接などへの対策が必要です。
推薦Bでは、共通テストの得点力が重要になります。
自分がどちらの方式に向いているのかを、得意科目や共通テスト模試の結果などから判断してください。
一般選抜は公立中期日程
岐阜薬科大学の一般選抜で特徴的なのが、公立中期日程です。
国公立大学の一般選抜では前期日程と後期日程が有名ですが、公立大学の一部では中期日程があります。
岐阜薬科大学は、この中期日程で一般選抜を実施しています。
2027年度の募集人員は78名です。
個別学力検査は2027年3月8日に予定されています。
国公立大学の前期日程と組み合わせられる
中期日程の大きな特徴は、前期日程とは別の日程で受験できることです。
そのため、国公立大学の前期日程で別の薬学部を受験し、中期日程で岐阜薬科大学を受けるという受験計画も考えられます。
たとえば、
前期日程で国立大学薬学部。
中期日程で岐阜薬科大学。
さらに私立薬学部も併願。
という受験戦略です。
ただし、国公立大学には入学手続きに関するルールがあります。
前期日程の大学へ入学手続きをした場合、その後の中期・後期日程の扱いに影響することがあります。
出願するだけなら受けられる場合でも、合格後に自由にすべての大学から選択できるとは限りません。
必ずその年度の国公立大学入試のルールと、各大学の募集要項を確認してください。
一般選抜の配点
岐阜薬科大学の一般選抜では、大学入学共通テストが1050点満点、個別学力検査が600点満点です。
合計1650点満点です。
共通テストでは、国語、数学、英語、地歴公民、理科、情報を使用します。
個別学力検査では、数学300点、化学300点です。
つまり、個別試験だけを見ると数学と化学が同じ配点です。
一方で、共通テストは1050点あります。
そのため、
「数学と化学が得意だから個別試験で全部逆転すればいい」
と考えるのは危険です。
共通テストで大きく失点すると、個別試験で取り返すための負担が非常に大きくなります。
岐阜薬科大学を本気で狙うなら、
共通テストで幅広く得点する力
と
数学・化学の記述力
の両方が必要です。
数学は数学Ⅲまで出題される
岐阜薬科大学の一般選抜では、数学Ⅲまで出題範囲に含まれます。
ここはかなり重要です。
私立薬学部の中には、数学Ⅲを使わずに受験できる大学も多くあります。
そのため、私立薬学部を中心に考えていた高校生が、高校3年生になってから岐阜薬科大学を受験候補に追加すると、数学Ⅲの対策が間に合わなくなる可能性があります。
岐阜薬科大学を少しでも考えている高校1・2年生は、数学Ⅲまで勉強する前提で学習計画を立ててください。
個別試験では、数学Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・A・B・Cが対象となります。
数学Bでは数列、数学Cではベクトルに加えて、平面上の曲線や複素数平面も範囲に含まれます。
そのため、単純に数学Ⅲの微分・積分だけを勉強すればよいわけではありません。
幅広い単元を仕上げる必要があります。
個別試験の理科は化学
岐阜薬科大学の個別学力検査では、化学が出題されます。
薬学部受験では、化学は非常に重要な科目です。
特に岐阜薬科大学では個別試験で300点あります。
共通テストの化学で点数を取れることと、個別試験の化学で得点できることは同じではありません。
共通テストでは、素早く情報を処理して正しい選択肢を選ぶ力が必要です。
一方、個別試験では、計算過程や考え方を整理しながら問題を解く力が必要になります。
共通テスト模試で化学が80点あるからといって、個別試験対策をしなくても大丈夫ということではありません。
逆に、記述問題は得意でも、共通テスト特有の情報量の多い問題に弱い人もいます。
両方の対策が必要です。
2026年度の一般選抜倍率
2026年度の中期日程では、志願者529名、受験者295名、合格者117名でした。
実際に受験した人数を合格者数で割ると、実質倍率は約2.5倍です。
前年の2025年度は、受験者382名、合格者112名で、実質倍率は約3.4倍でした。
ここで知っておいてほしいのが、志願者数と受験者数には大きな差があるということです。
中期日程では、前期日程の結果などによって、出願したものの実際には受験しない人もいます。
そのため、
志願者数÷募集人員
で計算した倍率と、
受験者数÷合格者数
で計算した実質倍率では、数字がかなり変わる場合があります。
大学の倍率を見るときには、
「これは志願倍率なのか」
「実質倍率なのか」
を必ず確認しましょう。
また、2026年度は募集人員78名に対して117名が合格しています。
募集人員と実際の合格者数は必ずしも一致しません。
入学辞退者などを考慮し、募集人員より多く合格者を出す場合があります。
合格最低点は?
岐阜薬科大学の一般選抜では、合格最低点がすべての年度で公表されているわけではありません。
そのため、
「○○点取れば絶対に合格できる」
という基準を作ることは難しいです。
2027年度入試では、共通テスト得点率79%前後が一つのボーダーの目安とされています。
ただし、79%を取れば必ず合格するという意味ではありません。
岐阜薬科大学は、共通テストに加えて数学と化学の個別試験があります。
共通テストでボーダーを超えていても、個別試験で失点すれば不合格になる可能性があります。
逆に、共通テストで少しボーダーを下回った場合でも、個別試験で高得点を取ることで合格圏に入る可能性はあります。
大切なのは、
共通テストで何点取れているか。
数学で何点取れるか。
化学で何点取れるか。
この3つを分けて考えることです。
岐阜薬科大学の学費
岐阜薬科大学は公立大学なので、私立薬学部と比べると学費をかなり抑えることができます。
現在の年間授業料は53万5800円です。
入学料は、区分によって異なります。
岐阜市内生の場合は28万2000円。
岐阜市外生の場合は50万4000円です。
現在の授業料が6年間変わらないと仮定すると、授業料と入学料の合計は、
岐阜市内生で約350万円。
岐阜市外生で約372万円です。
私立薬学部では、6年間の学費が1000万円を超える大学も多いため、学費だけを比較するとかなり大きな差があります。
一人暮らしの場合は生活費も考える
ただし、
「公立だから絶対に安い」
と単純に考えないようにしてください。
岐阜県外から進学して一人暮らしをする場合には、家賃、食費、光熱費、交通費などが必要です。
仮に毎月10万円の生活費が必要だとすると、
1年間で120万円。
6年間で720万円です。
学費が約370万円でも、生活費を合わせると1000万円を超える可能性があります。
一方、自宅から通える私立薬学部であれば、一人暮らしの費用がかからない場合もあります。
大学を比較するときは、
大学の学費
だけではなく、
6年間で家庭が実際に支払う総額
を考えてみてください。
薬剤師国家試験合格率
岐阜薬科大学を調べると、薬剤師国家試験の合格率の高さに注目する人も多いと思います。
2026年に実施された第111回薬剤師国家試験では、6年制新卒受験者102名のうち95名が合格しました。
新卒合格率は93.14%です。
既卒者などを含めた全体では、受験者138名、合格者111名で、合格率は80.43%でした。
この2つの数字は、どちらも間違いではありません。
対象となる受験者が違います。
93.14%は新卒受験者のみ。
80.43%は既卒者なども含めた全受験者の結果です。
薬学部を比較するときには、
「国家試験合格率○○%」
という数字だけを見るのではなく、
新卒なのか。
既卒を含むのか。
受験者数は何人なのか。
まで確認することが大切です。
新卒国家試験合格率とストレート卒業率は違う
ここは、薬学部選びで非常に重要です。
新卒国家試験合格率が93%だから、
「入学した学生の93%が6年間で薬剤師になっている」
という意味ではありません。
新卒国家試験合格率の分母は、その年に新卒で国家試験を受験した学生です。
入学者全員ではありません。
たとえば、120人が入学した学年があったとして、6年間で100人が卒業し、そのうち95人が国家試験に合格した場合。
新卒国家試験合格率は95%です。
しかし、入学者120人を基準にすると、6年間で国家試験に合格した人数は95人です。
割合は約79%になります。
同じ大学でも、分母によって見え方は大きく変わります。
岐阜薬科大学のストレート卒業率
文部科学省の調査では、2019年度に岐阜薬科大学へ入学した学生132名のうち、標準修業年限内、つまり6年間で卒業した学生は110名でした。
割合にすると83.3%です。
また、この2019年度入学者132名を基準とした国家試験合格者数は95名で、割合は72.0%でした。
ただし、この数字を現在の受験生へそのまま当てはめることはできません。
これは2019年度入学者を追跡した結果です。
2027年度に入学する学生の卒業率が83.3%になるという意味ではありません。
また、先ほど紹介した第111回薬剤師国家試験の新卒合格率93.14%とは、対象となる学生も年度も違います。
薬学部の数字を比較するときには、
入学年度
卒業年度
国家試験年度
分母
を必ず確認しましょう。
岐阜薬科大学の卒業後の進路
岐阜薬科大学の卒業生は、さまざまな分野へ進んでいます。
病院。
調剤薬局。
ドラッグストア。
製薬企業。
行政。
研究機関。
大学院。
などです。
薬学部へ進学すると、
「卒業したら薬剤師になる」
というイメージを持つ人も多いと思います。
もちろん病院や薬局で薬剤師として働く人は多いです。
しかし、薬学の専門知識を生かして製薬企業へ進む人もいます。
特に岐阜薬科大学は、医療薬学だけでなく創薬研究にも力を入れているため、研究や医薬品開発に興味のある高校生も進路候補として考えられる大学です。
ただし、製薬企業の研究職を目指す場合には、大学院進学が必要になることもあります。
「薬学部へ入れば研究職になれる」
と考えるのではなく、自分が希望する職種に進むためにどのような進路が必要なのかまで調べておきましょう。
岐阜薬科大学に合格するための勉強法
ここからは、実際の受験勉強について解説していきます。
まず最初に、自分がどの方式で受験するのかを決めましょう。
推薦Aなのか。
推薦Bなのか。
一般選抜なのか。
あるいは推薦Aを受けた後に、一般選抜まで受験するのか。
これによって勉強の優先順位が変わります。
推薦Aなら、英語・化学を中心とした総合試験と面接、出願書類の準備が必要です。
推薦Bなら、共通テスト対策が最重要になります。
一般選抜なら、共通テスト対策に加えて数学Ⅲを含む数学と化学の記述対策が必要です。
英語対策
岐阜薬科大学を目指す場合も、英語の基本は単語・文法・英文解釈です。
英単語については、まず学校で配布されている『ターゲット1900』などの単語帳を完成させましょう。
星薬科大学以上のレベルや国公立薬学部を目指す場合には、基本単語を固めた後に『医歯薬系の英単語』を追加するのがおすすめです。
ただし、専門的な単語ばかり覚えても、基本的な英文が読めなければ意味がありません。
まず一般的な大学受験英単語を完成させることが優先です。
英文法では、東進の『レベル別英文法』を基礎から進めるか、学校で使用している『Vintage』『Next Stage』などを活用します。
英文解釈では、『入門英文解釈の技術70』から『基礎英文解釈の技術100』へ進むルート。
または『英文解釈ポラリス1・2』を使うルートがおすすめです。
長文は、
『英語長文ポラリス0』
『The Rules 1』
『英語長文ポラリス1』
『The Rules 2・3』
『英語長文ポラリス2』
と段階的に進めていきます。
国公立大学の対策としてさらに演習量や難度が必要になった場合には、『The Rules 4』『英語長文ポラリス3』『やっておきたい英語長文』シリーズなどを追加します。
推薦Aの英語
推薦Aを受験する人は、大学が公開している総合試験の過去問を確認してください。
最初から過去問だけを何年分も解くのではなく、まず1年分を時間を測って解きましょう。
そして、間違えた原因を分類します。
英単語が分からなかった。
文法を間違えた。
英文の構造を読み取れなかった。
設問の意味を勘違いした。
時間が足りなかった。
原因によって、戻る教材は変わります。
過去問は自分の弱点を発見するために使うものだと考えてください。
推薦B・一般選抜の英語
推薦Bと一般選抜では、共通テスト英語が必要です。
岐阜薬科大学では英語の配点が比較的大きいため、英語を苦手科目のまま放置するのは危険です。
共通テストでは長文を速く正確に読む力が必要になります。
単語帳や文法問題集だけを続けるのではなく、ある程度基礎が固まったら長文演習を増やしてください。
また、リスニング対策も必要です。
受験直前の1か月だけリスニングを始めるのではなく、高校2年生から少しずつ英語の音声に慣れておくと負担を減らせます。
数学対策
岐阜薬科大学の一般選抜を受けるなら、数学Ⅲまで仕上げる必要があります。
数学が苦手な人は、
『やさしい高校数学』
『入門問題精講』
『基礎問題精講』
『標準問題精講』
と段階的に進めるルートがおすすめです。
学校で『青チャート』や『Focus Gold』を使用している人は、その教材を中心に基本・標準問題を仕上げても構いません。
国公立大学を目指し、さらに演習が必要な場合は『1対1対応の演習』まで進めることも考えられます。
ただし、参考書を何冊終わらせたかは重要ではありません。
一度解いた問題を、何も見ずにもう一度解けるか。
数日後にも解けるか。
似た問題でも対応できるか。
ここまで確認してください。
数学Ⅲを後回しにしない
岐阜薬科大学志望者に特に伝えたいのが、数学Ⅲを後回しにしないことです。
高校3年生の夏になって、
「まだ数学Ⅱの微積をやっています」
という状態では、数学Ⅲの完成と過去問演習まで間に合わない可能性があります。
高校1・2年生のうちに数学ⅠA・ⅡBCの基礎を固めておき、高校3年生ではできるだけ早く数学Ⅲの演習へ進める状態を作りましょう。
数学Ⅲでは、微分・積分の計算だけでなく、
極限。
グラフ。
面積。
体積。
複素数平面。
平面上の曲線。
など幅広い内容を学びます。
「数学Ⅲを一周した」
ではなく、実際の入試問題で使える状態まで仕上げる必要があります。
化学対策
岐阜薬科大学では、化学も非常に重要です。
推薦Aの総合試験でも化学が関係します。
一般選抜では個別試験で300点あります。
化学が苦手な人は、いきなり難しい問題集へ進む必要はありません。
まず、『宇宙一わかりやすい高校化学』で理解を深めながら、『リードLightノート』で問題を解いてください。
説明を読んだだけでは、
「分かったつもり」
になりやすいです。
必ず問題演習とセットにしてください。
基礎が完成したら、学校で使っている『セミナー』などの問題集や、『化学重要問題集』へ進んでいきます。
国公立薬学部を目指す場合には、必要に応じてさらに難しい問題へ進みます。
ただし、難問に挑戦する前に、標準問題を確実に解けることが最優先です。
理論化学
理論化学では、公式を丸暗記するのではなく、なぜその計算をするのか理解してください。
物質量。
濃度。
酸と塩基。
酸化還元。
気体。
溶液。
化学平衡。
電池・電気分解。
などは、計算問題が多く出題されます。
間違えた場合には、
計算ミスなのか。
反応式が書けなかったのか。
条件を読み違えたのか。
公式の意味を理解していないのか。
原因を特定してください。
無機化学
無機化学は暗記量が多い分野です。
ただし、全部をバラバラに暗記しようとすると混乱します。
元素ごとに整理したり、沈殿の色や気体の性質、製法などを関連づけたりして覚えましょう。
一度覚えた内容もすぐ忘れるので、短い間隔で何度も復習することが大切です。
有機化学
有機化学では、反応を単独で覚えるのではなく、物質同士のつながりを理解してください。
アルコール。
アルデヒド。
カルボン酸。
エステル。
芳香族化合物。
高分子。
などを、反応経路として整理していきます。
構造決定問題では、与えられた条件を一つずつ整理し、候補を絞っていく練習が必要です。
暗記だけでは解けない問題も多いため、必ず問題演習をしてください。
共通テスト対策
岐阜薬科大学の一般選抜では、共通テストが1050点あります。
数学と化学の個別試験が重要だからといって、ほかの科目を捨てることはできません。
特に、
国語。
地歴公民。
情報。
は後回しにされやすい科目です。
しかし、一般選抜ではこれらの科目にも配点があります。
共通テストで大きく失点してしまうと、数学と化学の個別試験で高得点を取らなければならなくなります。
高校1・2年生のうちは、学校の授業や定期テストを利用して、共通テストで使う科目の基礎を固めてください。
高校3年生になったら、共通テスト模試の結果を見ながら、苦手科目へ勉強時間を配分していきます。
共通テスト後の勉強が重要
岐阜薬科大学の中期日程は3月です。
そのため、共通テストが終わってから個別試験まである程度の期間があります。
この期間の使い方はかなり重要です。
ただし、
「共通テストが終わってから数学Ⅲを完成させよう」
という計画では遅いです。
共通テスト前までに、数学Ⅲを含む個別試験の出題範囲を一通り学習しておきましょう。
共通テスト後は、
過去問。
数学の弱点補強。
化学の弱点補強。
記述練習。
時間配分。
など、本番を想定した演習へ集中できる状態が理想です。
また、前期日程で別の国公立大学を受験する人も多いと思います。
前期日程が終わった瞬間に気が抜けてしまわないようにしてください。
中期日程で岐阜薬科大学を受験する場合には、3月8日まで受験は続いています。
過去問はいつから始める?
過去問は、参考書をすべて完璧にしてから初めて見る必要はありません。
むしろ、早めに一度見ておいたほうがよいです。
ただし、学習初期から何年分も解く必要もありません。
高校3年生の早い段階で1年分を見て、
どれくらいの問題が出るのか。
数学Ⅲはどの程度必要なのか。
化学はどんな問題が出るのか。
試験時間はどれくらいなのか。
を確認してください。
そのうえで普段の勉強を進め、本格的な過去問演習は基礎・標準問題が固まってから始めます。
過去問を解いたら、点数だけを記録して終わらないようにしてください。
時間不足。
知識不足。
計算ミス。
問題文の読み違い。
解法が思いつかなかった。
途中式を書けなかった。
など、失点した原因を分類します。
そして、その原因に応じて参考書へ戻ります。
これを繰り返すことで、過去問演習が実際の成績向上につながります。
高校1・2年生は何をすればいい?
高校1・2年生で岐阜薬科大学を目指しているなら、今から難しい入試問題を解く必要はありません。
まず、学校で習っている内容を確実に理解してください。
英語なら単語と文法。
数学なら習った単元の典型問題。
化学なら物質量などの基本計算。
これらを積み重ねてください。
岐阜薬科大学の一般選抜では数学Ⅲまで必要です。
高校3年生になってから数学ⅠA・ⅡBCの復習に大量の時間を使っていると、数学Ⅲや過去問演習が間に合わなくなります。
だから高校1・2年生の勉強が重要です。
また、推薦Aを考えている人は、学校生活や課外活動にも真剣に取り組んでください。
推薦入試のために何か特別な活動を始めなければいけない、という意味ではありません。
今取り組んでいることに対して、
なぜやっているのか。
どんな課題があったのか。
どのように工夫したのか。
何を学んだのか。
を考えることが大切です。
その経験が、後の志願理由書や面接にもつながります。
岐阜薬科大学の併願校
岐阜薬科大学を第一志望にする場合には、併願校も早めに考えておきましょう。
国公立大学の前期日程で別の薬学部を受験し、中期日程で岐阜薬科大学を受ける方法があります。
さらに、私立薬学部も併願できます。
ただし、併願校を偏差値だけで決めないでください。
確認したいのは、
入試科目。
数学Ⅲの有無。
化学の配点。
共通テスト利用の有無。
試験日。
学費。
通学時間。
国家試験実績。
進級・卒業状況。
です。
岐阜薬科大学対策として数学Ⅲまで勉強していれば、数学Ⅲを出題する大学にも対応しやすくなります。
一方、私立薬学部では数学Ⅲが必要ない大学も多いため、併願校ごとに追加で必要な勉強がどれくらいあるか確認してください。
受験校を増やしすぎると、それぞれの過去問を解く時間も必要になります。
大切なのは、
「受験できる大学をできるだけ増やす」
ことではありません。
「第一志望対策を崩さずに、進学先の選択肢を確保する」
ことです。
岐阜薬科大学がおすすめなのはこんな人
岐阜薬科大学は、特に次のような人にとって検討する価値のある大学だと思います。
国公立薬学部を目指したい人。
学費をできるだけ抑えたい人。
薬剤師を目指しながら研究にも興味がある人。
化学が好きな人。
数学Ⅲまでしっかり勉強できる人。
中期日程を活用して国公立大学の受験機会を増やしたい人。
反対に、
「数学Ⅲを絶対に勉強したくない」
という人にとって、一般選抜はかなり相性が悪いです。
また、公立大学なので学費は抑えられますが、自宅から通えない場合には一人暮らしの生活費も必要になります。
大学選びでは、メリットだけではなく、自分に合っているかまで考えてください。
まとめ
今回は、岐阜薬科大学について徹底解説しました。
岐阜薬科大学は、岐阜県岐阜市にある公立の薬科大学です。
現在は6年制薬学科を中心とした教育を行い、医療薬学だけでなく創薬研究にも力を入れています。
一般選抜は公立中期日程で実施されます。
2027年度の募集人員は、学校推薦型選抜Aが30名、学校推薦型選抜Bが12名、一般選抜が78名です。
推薦Aでは、共通テストを使わず、出願書類、総合試験、面接などで選抜されます。
推薦Bでは、共通テストの成績を利用します。
一般選抜では、共通テスト1050点と個別学力検査600点の合計1650点で選抜されます。
個別試験は数学300点、化学300点です。
数学は数学Ⅲまで出題されます。
そのため、岐阜薬科大学を一般選抜で目指すのであれば、高校1・2年生の段階から数学を積み上げ、高校3年生では早めに数学Ⅲまで進めることが重要です。
化学についても、理論・無機・有機を偏りなく仕上げてください。
共通テストでは英語や国語、情報なども必要なので、数学と化学だけ勉強すればよい大学ではありません。
学費は、公立大学なので私立薬学部と比べるとかなり抑えられます。
現在の授業料をもとにすると、6年間の授業料と入学料は約350万~372万円です。
ただし、県外から一人暮らしをする場合には生活費も必要になります。
また、第111回薬剤師国家試験では、新卒合格率93.14%という結果でした。
一方で、薬学部を選ぶ際には国家試験合格率だけではなく、6年間で卒業できている学生の割合も確認することが大切です。
大学選びでは、
偏差値。
倍率。
国家試験合格率。
学費。
だけを見ないでください。
どのような教育を受けられるのか。
どんな研究ができるのか。
自分の将来の目標に合っているのか。
6年間通い続けられる環境なのか。
そして、自分がその大学の入試に向けて必要な勉強を続けられるのか。
ここまで考えて志望校を決めてほしいと思います。
岐阜薬科大学は、決して簡単に合格できる大学ではありません。
特に一般選抜では、共通テストの幅広い科目と、数学Ⅲを含む数学、そして化学の高い学力が必要です。
しかし、必要な科目と配点を理解し、早い段階から計画的に勉強を進めれば、今の偏差値だけで諦める必要はありません。
まずは、自分がどの入試方式を受けるのかを決めること。
次に、その方式で必要な科目と配点を確認すること。
そして、模試や過去問から自分の弱点を見つけること。
最後に、合格までに必要な勉強を毎日の学習へ落とし込むこと。
岐阜薬科大学を目指している人は、ここから受験勉強を始めてみてください。
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