【最新版】近畿大学薬学部の偏差値・倍率は?入試科目・学費・国家試験合格率まで徹底解説

近畿大学薬学部は、大阪府東大阪市にキャンパスを置く、歴史ある私立総合大学の薬学部です。
「近畿大学薬学部の偏差値はどのくらい?」
「入試では何科目必要?」
「薬剤師国家試験の合格率や実績は高い?」
「留年せずに卒業できる学生はどのくらいいる?」
「6年間(または4年間)で学費はいくらかかる?」
このような疑問を持っている受験生や保護者の方も多いのではないでしょうか。薬学部選びでは、偏差値や知名度だけでなく、入試科目、学費、進級状況、薬剤師国家試験、卒業後の進路まで確認することが重要です。
この記事では、近畿大学薬学部について、大学の特徴、偏差値、倍率、入試科目、学費、国家試験合格率、進級・卒業状況、就職先まで詳しく解説します。
近畿大学薬学部の基本情報
| 項目 | 内容 |
| 大学名 | 近畿大学 |
| 大学区分 | 私立大学 |
| 学部・学科 | 薬学部・医療薬学科 |
| 修業年限 | 6年間 |
| 1学年の入学定員 | 150名 |
| 薬剤師国家試験受験資格 | 取得可能 |
| キャンパス | 東大阪キャンパス |
| 所在地 | 大阪府東大阪市小若江3丁目4の1 |
| 主なアクセス | 近鉄大阪線「長瀬駅」徒歩約10分、近鉄奈良線「八戸ノ里駅」徒歩約20分(バスあり) |
近畿大学薬学部は1954年に設置され、70年以上の歴史を誇る関西有数の名門薬学部です。メインキャンパスである東大阪キャンパスで、他学部の学生とも活発に交流しながら豊かな学生生活を送ることができます。
近畿大学薬学部の歴史
近畿大学薬学部は、1954年に設置され、70年以上の歴史を誇る名門薬学部です。
他学部との交流も盛んなメインキャンパスである東大阪キャンパスに拠点を置き、他大学にはない独自の「実学教育」を積み重ねてきました。
長い歴史と伝統の中で、多数の優秀な薬剤師や薬学の研究開発者を世に送り出してきたことは、近畿大学薬学部の大きな特徴です。
現在は、臨床現場で即戦力となる薬剤師を育成する6年制の「医療薬学科」と、新薬の開発や健康食品・化粧品の研究者を育成する4年制の「創薬科学科」の2学科体制を敷き、時代に合わせた先進的な教育を提供しています。
これまでの歩みがもたらした、医療業界や製薬企業との極めて強固なネットワークや繋がりを重視する受験生にとっても、非常に検討する価値のある大学といえるでしょう。
近畿大学薬学部の特徴・魅力
医学部および2つの附属病院と連携した「高度な臨床教育」
近畿大学は「近畿大学病院」および「近畿大学奈良病院」の2つの高度医療拠点を持ちます。
5年次に実施される病院実務実習では、総合大学ならではのネットワークを最大限に活かし、最先端の臨床現場で医師や看護師と密に連携するチーム医療を実地で学ぶことができます。
1年次からのモチベーション向上「アーリーエクスポージャー」
入学後早い段階から、病院、薬局、製薬企業、行政機関などの現場を実際に見学・体験する「アーリーエクスポージャープログラム」が用意されています。
これにより学習意欲が早期に刺激され、将来への明確なビジョンを持って専門教育へ挑むことができます。
漢方薬学・がん治療など「専門分野に直結する豊富な選択科目」
基本カリキュラムに加え、個々の関心や将来の進路に合わせて「漢方薬学」や「がん治療」といった専門性の高い選択科目を深く学ぶことができます。
これにより、卒業後すぐに現場の即戦力として活躍できる高度な専門性を養います。
近畿大学薬学部のカリキュラム
近畿大学薬学部では、薬学教育モデル・コア・カリキュラムを基盤とし、1年次から段階的に専門性を高めるカリキュラムが組まれています。
| 学年 | 主な学習内容 |
| 1年次 | 薬学の基礎(生物学、化学など)、アーリーエクスポージャープログラムによる現場体験 |
| 2~3年次 | 薬学専門科目(薬理学、有機化学、衛生薬学など)の講義・基礎実習 |
| 4年次 | 専門科目の発展学習、CBT・OSCE等を含む事前教育、4年後期からの臨床実習 |
| 5年次 | 病院(近大附属病院等)および地域薬局での実務実習、高度な総合薬学研究の開始 |
| 6年次 | 総合的な演習、卒業研究の総仕上げ、薬剤師国家試験対策の学習 |
1年次には生物学や化学といった薬学の基礎を学びながら、専門知識へと段階的に進んでいきます。特に、入学後早い段階から病院や薬局、行政機関などの現場を実際に見学・体験する「アーリーエクスポージャープログラム」が用意されているのは、学習意欲を刺激する大きな特徴です。
4年次の後期からは、薬学共用試験(CBT・OSCE)に向けた事前教育や、実際の現場を意識した臨床実習(事前実習)が本格的に始まります。
5年次には、医学部に病院を持つ総合大学ならではのネットワークを最大限に活かし、近畿大学病院などの高度医療機関と地域の薬局で、それぞれ11週間、合計22週間の実務実習を行います。
最先端の臨床現場で実際の患者や医療従事者と深く関わりながら、チーム医療や薬物治療について実践的に学びます。
薬学部は必修科目や実験、実習が多く、日々のレポートや試験なども重なるため、入学後も継続して努力を重ねることが求められます。
入学後に余裕を持ってハイレベルな「実学」を学ぶためにも、高校生のうちに化学だけでなく、数学や生物などの基礎もしっかりと身につけておくことが大切です。
近畿大学薬学部の偏差値
2026年度入試における河合塾(パスナビ)のボーダーラインでは、近畿大学薬学部の偏差値は52.5、共通テスト得点率は方式により63〜72%程度となっています。
| 情報元 | 偏差値・ボーダーの目安 |
| 河合塾 | 薬学部の偏差値52.5 共通テスト得点率63~72%程度 |
偏差値に差があるのは、模試の受験者層や判定基準が異なるためです。
「近畿大学薬学部の偏差値はいくつか」と一つの数字だけで判断するのではなく、自分が受験した模試の判定と、大学が公表している実際の倍率や合格最低点を併せて確認しましょう。
近畿大学薬学部の2026年度入試倍率
2026年度入試では、一般選抜の実質倍率は前期A日程が5.8倍、前期B日程が9.1倍、後期日程が13.2倍でした。
| 入試方式 | 受験者数 | 合格者数 | 実質倍率 |
| 推薦入試(一般公募・スタンダード) | 474名 | 85名 | 5.6倍 |
| 推薦入試(一般公募・理科重視) | 352名 | 61名 | 5.8倍 |
| 一般選抜 前期A日程 | 1,133名 | 197名 | 5.8倍 |
| 一般選抜 前期B日程 | 585名 | 64名 | 9.1倍 |
| 一般選抜 後期 | 132名 | 10名 | 13.2倍 |
| 共通テスト利用方式 前期 | 554名(志願) | 280名 | 2.0倍 |
| 共通テスト利用方式 中期 | 97名 | 73名 | 1.3倍 |
| 共通テスト利用方式 後期 | 40名 | 8名 | 5.0倍 |
前期B日程や後期日程は、一般前期A日程と比較すると倍率が極めて高くなっています。 ただし、倍率だけで入試難易度を判断することはできません。
共通テスト利用方式や併用方式では、他大学や国公立大学を第一志望とする上位層も幅広く出願するため受験者層が変化します。
一方、大学独自の学力検査を課す一般入試(前期A日程やB日程など)には、近畿大学への進学を具体的に検討している受験生がより集中しやすいと考えられます。
倍率だけでなく、募集人数、試験科目、配点、過去問との相性まで確認することが重要です。
近畿大学薬学部の合格最低点
2026年度一般選抜の合格最低点は、次のとおりです。
| 入試方式 | 満点 | 合格最低点 | 最低得点率 |
| 前期A(スタンダード) | 300点 | 190点 | 63.3% |
| 前期A(理科重視) | 400点 | 241点 | 60.3% |
| 前期B(スタンダード) | 300点 | 170点 | 56.7% |
| 前期B(理科重視) | 400点 | 234点 | 58.5% |
| 後期 | 200点 | 140点 | 70.0% |
| 共テ併用A日程 | 500点 | 347点 | 69.4% |
| 共テ併用B日程 | 500点 | 288点 | 57.6% |
一般後期日程は、2026年度の合格最低得点率が70.0%(140点)となっており、高得点での争いとなりました。これは、十分に高得点を狙わなければ太刀打ちできない過酷な競争であることを示しています。
実際に合格最低点を見ると、比較的合格者を多く出す一般前期A日程(スタンダード)であれば190点(得点率63.3%)ですが、
前期B日程(スタンダード)では170点(得点率56.7%)に変動するなど、入試方式や日程、問題の難易度、倍率によって大きく変動します。
さらに、共通テスト併用方式においても、併用A日程の合格最低点が347点(得点率69.4%)であるのに対し、
併用B日程では288点(得点率57.6%)となるなど、
日程(A日程・B日程)によって得点ボーダーに大きな差が生じていることがわかります。
単年度の最低点だけを目標にせず、複数年度の過去問を解き、どの方式・日程でも安定して得点できる状態を目指しましょう。
近畿大学薬学部の2027年度一般選抜
共通テスト利用方式(前期・3教科型)|大学入学共通テスト利用
共通テスト利用方式(前期・3教科型)の募集人員は、医療薬学科6名です。 大学独自試験は行われず、大学入学共通テストの理科、英語、数学の3教科、合計300点で判定されます。
| 教科 | 内容 | 配点 |
| 数学 | 数ⅠA・数ⅡBCから1科目選択 | 100点 |
| 理科 | 物理・化学・生物から1科目選択(発展1科目のみ対象) | 100点 |
| 外国語 | 英語[リスニングを課す] | 100点 |
| 合計 | — | 300点 |
英語の配点はリーディング80点、リスニング20点の合計100点満点に換算して判定されます。
理科は発展1科目のみが選択可能となっており、大学入学共通テストにおいて理科、英語、数学の3教科をバランスよく得点できる受験生に向いている方式です。
共通テスト利用方式(前期・5教科7科目型)|大学入学共通テスト利用
| 教科 | 内容 | 配点 |
| 国語 | 国語(近代以降の文章のみ) | 100点 |
| 数学 | 数ⅠA と 数ⅡBC(2科目必須) | 200点 |
| 理科 | 物理・化学・生物から2科目(発展のみ、基礎分野選択不可) | 400点 |
| 外国語 | 英語[リスニングを課す](リーディング80点/リスニング20点換算) | 100点 |
| 地歴・公民・情報 | 地理総合/地理探究、歴史総合/日本史探究、歴史総合/世界史探究、公共/倫理、公共/政治・経済、情報Ⅰ から1科目選択 | 100点 |
| 合計 | — | 900点 |
選択科目については、地理総合・地理探究、歴史総合・日本史探究、歴史総合・世界史探究などの地理歴史分野、公共・倫理、公共・政治・経済などの公民分野、あるいは情報Ⅰから1科目を選択します。
理科が2科目で計400点分と全体の約44.4%を占める点が大きな特徴です。
国公立大学志望の併願優秀層が集まりやすく、かつ募集人員も非常に少ないため、苦手教科を一切作らずにすべての教科で高得点を維持できる総合的な学力が求められます。
一般選抜 前期A日程(スタンダード方式)|英語・数学・理科の3科目型
一般選抜 前期A日程(スタンダード方式)の募集人員は、医療薬学科約32名です。
大学独自の本学試験を行い、3教科合計300点で判定されます。
| 科目 | 出題範囲・内容 | 配点 |
| 外国語 | 英語コミュニケーションⅠ・Ⅱ・Ⅲ、論理・表現Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ(60分) | 100点 |
| 数学 | 数Ⅰ・数A・数Ⅱ・数B(数列)(・数Ⅲ)・数C(ベクトル・平面上の曲線と複素数平面)(60分) | 100点 |
| 理科 | 「物理基礎・物理」・「化学基礎・化学」・「生物基礎・生物」から当日1科目選択(60分) | 100点 |
| 合計 | — | 300点 |
2027年度は、前期Aで数学を、
数学①
- 数Ⅰ
- 数Ⅱ
- 数A
- 数B(数列)
- 数C(ベクトル)
または、
数学②
- 数Ⅰ
- 数Ⅱ
- 数Ⅲ
- 数A
- 数B(数列)
- 数C(ベクトル・平面上の曲線と複素数平面)
から選択できます。
つまり、
前期Aでも数学Ⅲなしで受験可能です。
数学②では、出題範囲に数学Ⅲおよび数学Cの平面上の曲線と複素数平面がしっかりと含まれているのが大きな特徴です。
2月に実施される前期B日程では数学Ⅲや平面上の曲線・複素数平面が範囲から除外されますが、
前期A日程で勝負する場合は数学Ⅲを武器にした試験を受けることは可能です。
また、3教科の配点が各100点で均等であるため、化学などの理科だけが得意であっても英語や数学で大きく失点すると合格は一気に厳しくなります。
苦手科目を作らずにすべての教科でバランスよく安定して得点できる基礎力を養うことが大切です。
一般選抜 前期A日程(理科重視方式)|理科の傾斜配点型
一般選抜 前期A日程(理科重視方式)は、スタンダード方式との併願が可能です。
スタンダード方式として受験した共通の試験結果を利用し、理科の得点のみを自動的に2倍(200点)に換算した合計400点満点で判定されます。
| 科目 | 出題範囲・内容 | 配点 |
| 外国語 | 英語コミュニケーションⅠ・Ⅱ・Ⅲ、論理・表現Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ | 100点 |
| 数学 | 数Ⅰ・数A・数Ⅱ・数B(数列)・数Ⅲ・数C(ベクトル・平面上の曲線と複素数平面) | 100点 |
| 理科 | 「物理基礎・物理」・「化学基礎・化学」・「生物基礎・生物」から当日1科目選択(得点を2倍に換算) | 200点 |
| 合計 | — | 400点 |
この方式では理科の配点が200点となり、総得点のちょうど半分にあたる50%を占めることになります。
理科が極めて得意で、英語や数学よりも理科で大幅に得点を稼ぎたい受験生にとって非常に有利に働く相性のよい仕組みです。
ただし理科の配点比率が高い一方、英語や数学の試験が免除されるわけではないため、3教科全体の総合的な受験対策が欠かせません。
配点換算の仕組み上、理科で失敗すると他の教科で挽回することが極めて難しくなります。
また2026年度入試における医療薬学科の実質倍率は4.0倍と厳しい競争であったため、理科に苦手単元が残っている状態でスタンダード方式を併願せずに理科重視方式だけに絞って出願するのはリスクが伴います。
近畿大学薬学部の合格戦略
ここからは、公開されている入試科目、配点、倍率、合格最低点をもとにしたPharmAssistの分析です。
大学が公式に示している合格目標点ではないため、目安として参考にしてください。
前期A日程(スタンダード方式)は3科目をバランスよく安定させる
一般選抜の前期A日程(スタンダード方式)では、英語100点、数学100点、理科100点という均等な配点になっています。
2026年度の医療薬学科における合格最低点は、1月24日実施分が191点(得点率63.7%)、1月25日実施分が190点(得点率63.3%)でした。
| 科目 | 目標点の一例 |
| 外国語(英語) | 70点/100点 |
| 数学 | 70点/100点 |
| 理科(化学など) | 70点/100点 |
| 合計 | 210点/300点 |
化学をはじめとする理科で80点以上の高得点を取れれば大きな強みになりますが、英語や数学で大崩れして50点台以下になると合格が非常に不安定になります。
この方式では、得意科目を伸ばしながらも、他の2科目で大きく失点しないバランスの良い完成度が強く求められます。
前期A日程(理科重視方式)は理科の実力を最優先する
前期A日程(理科重視方式)は、400点満点のうち半分の200点を理科が占める傾斜配点方式です。
化学や生物、物理の特定の分野に苦手単元が残っている場合は、この理科重視方式との相性はあまりよくありません。
2026年度の合格最低点は、医療薬学科で241点(得点率60.3%)から245点(得点率61.3%)と日程によって幅があります。
年度ごとの出題難易度の変化や平均点の変動に左右されずに合格を確実にするため、過去問演習では400点満点中260点前後、得点率65%程度を一つの目標レベルとして設定したいところです。
得点イメージの一例としては、得意の理科で150点を確保し、数学と英語でそれぞれ55点を手堅く維持して合計260点に到達させる形が挙げられます。
理科が得意で、他教科よりも圧倒的に理科で得点を稼ぎやすい受験生にとっては、非常に相性の良い方式と言えます。
ただし、理科で思うように得点できなかった場合に他の2科目で挽回することが極めて難しく、実質倍率も5.0倍と厳しい競争になるため、
スタンダード方式を併願せずに理科重視方式のみに絞り込んで出願するのは高いリスクを伴います。
共通テスト利用方式(前期・3教科3科目型)はすべての教科で失点を抑える
共通テスト利用方式の前期3教科3科目型は、数学、理科、外国語がそれぞれ100点の計300点満点で判定されます。
2026年度入試における合格最低ボーダー(得点率)は医療薬学科で約69〜72%程度で推移しています。
ただし、共通テスト利用方式は、志願者層のレベルやその年の平均点、国公立大学志望の併願層の動向によって合格ラインが大きく変動しやすいのが特徴です。
そのため、合格可能性を強固にするためには、3教科合計で75%以上を最低基準とし、安全圏を目指すのであれば80%程度を確実に確保しておきたいところです。
【重要】2027年度後期は2026年度と制度が変わっています
2026年度の後期は200点満点で、最低点140点でした。
しかし2027年度後期は、
- 英語100
- 数学100
- 理科100
- 合計300点
です。
数学は前期Aと同様、
数学Ⅲなしの数学①/数学Ⅲありの数学②
から選べます。
理科も物理・化学・生物から選択できます。募集人員は9名です。
2027年度後期の目標点(得点率の目安)としては、75%(225点)とすると良いでしょう。
入試方式は一つに絞らず、複数の機会を活用する
近畿大学薬学部を第一志望として受験に挑む場合は、11月に実施される公募推薦入試をはじめ、
一般選抜の前期A日程、前期B日程、そして共通テスト併用方式などを
戦略的に組み合わせて出願することを検討しましょう。
英語と理科(化学・生物)の2教科を早くから徹底して鍛えてきた場合は公募推薦に挑戦し、3教科がバランスよく仕上がっている場合は一般前期A日程のスタンダード方式を主軸にし、
さらに理科の得点力に自信がある場合は理科重視方式を併願することで、自らの得意な科目のバランスに合わせて合格の機会を何重にも増やすことができます。
ただし、連続での受験による検定料の負担や、厳しい試験日程による体調管理、他大学との併願予定も慎重に考慮しながら、
自分にとって最も効率的で納得のいく出願計画を立てていくことが重要です。
近畿大学薬学部の推薦入試
近畿大学薬学部では、11月に「推薦入試(一般公募)」が実施されます。
この入試方式は、他大学との併願が可能な公募併願制を採用しており、受験生にとって早い段階で合格を確保するための極めて重要な選択肢となっています。
推薦入試(一般公募)スタンダード方式
学校推薦型選抜にあたる一般公募制(スタンダード方式)は併願可能で、試験科目は2教科2科目、合計200点満点で判定されます。
| 試験内容 | 配点・時間 |
| 外国語(英語コミュニケーションⅠ・Ⅱ・Ⅲ) | 60分・100点 |
| 理科(化学基礎・化学、または生物基礎・生物から当日1科目選択) | 60分・100点 |
| 書類審査(出願時の事前課題[小論文]の入力内容を含む) | 出願時提出 |
| 合計 | 120分・200点 |
近畿大学薬学部の公募推薦入試における最大の特徴であり決定的な注意点は、選択科目が理科の「化学」または「生物」のどちらか1科目に完全に指定されている点です。
他学部のように「数学」や「国語」を選択して受験することが薬学部では一切認められていません。
そのため、公募推薦での合格を狙う受験生は、
早い段階から英語の強化と並行して、化学または生物のどちらか得意な科目の基礎学力対策を徹底して進める
必要があります。
また、出願時には事前課題として「小論文」をネット上で入力して提出することが義務付けられており、
当日の学力検査だけでなく書類審査を含めた総合的な評価が行われます。
さらに、このスタンダード方式の試験結果を利用して、理科の得点を自動的に2倍(200点)に換算して判定する「理科重視方式(合計300点満点)」への併願・同時判定も可能となっています。
理科を大きな得点源にできる受験生にとっては、スタンダード方式のみに出願するよりも合格の可能性を大幅に広げられる有利な設計となっています。
近畿大学薬学部の学費
近畿大学薬学部の初年度納入金は247万円です。
| 費目 | 初年度の金額 |
| 入学金 | 25万円 |
| 授業料 | 222万2,000円 |
| 諸会費 | 4,500円 |
| 合計 | 247万6,500円 |
近畿大学薬学部の学費には、病院や地域薬局での実務実習に必要な費用、CBT・OSCEなどの薬学共用試験の検定料、さらには国家試験対策のための諸費用があらかじめすべて授業料(実習費)の中に組み込まれています。
そのため、大学はこれらの実習・試験関連の項目について、2年次以降に追加で徴収することはないと案内しています。
2年次以降は、年間の学費として毎年平均約225万〜237万円を納入するスケジュールとなっており、
入学金を含めた6年間の大学納入金の総合計は「約1,406万円」となります。
ただし、次の費用は別途必要になる可能性があります。
・教科書代
・白衣代
・実験器具代
・パソコンやタブレット代
・通学交通費
・実務実習先までの交通費
・一人暮らしの家賃や生活費
・留年や卒業延期をした場合の追加学費
学費を比較する際は、初年度納入金だけでなく、6年間の総額と一人暮らしの費用まで含めて考えましょう。
近畿大学薬学部の特待生制度
近畿大学薬学部には、入試成績の優秀者を対象とした特待生制度があります。
| 入試方式 | 対象人数 | 免除内容 |
| 一般入試・前期(A日程) | 得点率80%以上かつ上位者から6位以内 | 【6年間】授業料の全額を免除 |
| 一般入試・前期(B日程) | 得点率80%以上かつ上位者から4位以内 | 【6年間】授業料の全額を免除 |
| 共通テスト利用方式(前期) | 得点率80%以上かつ上位者から3位以内 | 【6年間】授業料の全額を免除 |
特待生に採用されると、6年間の授業料が全額免除されます。ただし、継続して特待生資格を得るためには一定の条件があり、学業成績が著しく不良な場合や懲戒処分を受けた場合などは、授業料免除の資格を失う可能性があります。
また、授業料全額免除の対象となった場合でも、諸行事や健康診断、各種システム登録にかかる費用として、年間2万円(半期1万円)を別途納入する必要があります。
近畿大学薬学部の進級率・卒業率
薬学部を選ぶ際は、薬剤師国家試験の合格率だけでなく、入学者のうち何人が6年間で卒業できたかを確認することが重要です。
近畿大学が2025年に公表した修学状況によると、2019年度の薬学部医療薬学科の入学者は153名で、このうち標準修業年限の6年間で卒業した学生は112名でした。
標準修業年限内の卒業率は73.2%です。
また、2019年度入学者のうち、6年間で卒業して薬剤師国家試験にも合格した学生は108名で、入学者数に対する割合は70.6%でした。
| 2019年度入学者の状況 | 人数・割合 |
| 入学者数 | 153名 |
| 6年間で卒業した学生 | 112名 |
| 標準修業年限内卒業率 | 73.2% |
| 6年間で国家試験に合格した学生 | 108名 |
| 入学者数に対するストレート国家試験合格率 | 70.6% |
この数字は、残りの学生が全員退学したという意味ではありません。
留年や休学などにより、7年以上かけて卒業する学生も含まれます。
薬学部では、入学後も継続的な学習が必要です。大学に合格できれば自動的に薬剤師になれるわけではありません。
大学選びの段階から、進級条件、再試験制度、留年時の学費、学習支援制度について確認しておきましょう。
近畿大学の薬剤師国家試験合格率
第111回薬剤師国家試験における近畿大学の新卒受験者数は129名、合格者数は120名、新卒合格率は93.02%でした。
全国の新卒平均合格率は86.25%であり、近畿大学の新卒合格率は全国平均を上回っています。
| 薬剤師国家試験 | 近畿大学の新卒合格率 | 全国新卒平均 |
| 第111回 | 93.02% | 86.25% |
| 第110回 | 95.93% | 84.96% |
| 第109回 | 94.70% | 84.36% |
| 第108回 | 94.26% | 84.86% |
| 第107回 | 90.77% | 85.24% |
新卒国家試験合格率は高い水準ですが、この数字は、国家試験を実際に受験した新卒者を分母にしたものです。
受験生が大学を比較する際は、新卒合格率だけでなく、次の数字も併せて確認しましょう。
・入学者数
・6年間で卒業できた学生数
・国家試験を受験した新卒者数
・6年間で卒業して国家試験に合格した学生の割合
・卒業延期者数
・既卒者を含めた国家試験合格率
「新卒国家試験合格率」と「入学者数に対するストレート国家試験合格率」は、意味の異なる数字です。
近畿大学薬学部の就職先・卒業後の進路
近畿大学薬学部は、卒業生において「就職決定率100%」(就職希望者全員が就職決定)という抜群の実績を誇っています。
2025年度卒業生では、病院・保険薬局等が68%、製薬企業等が22%、公務員5%、大学院進学5%でした。
総合大学としての強固なネットワークと長い伝統を活かし、医療現場から製薬企業、公務員、研究者への道まで、極めて幅広いキャリアパスが確立されています。
薬剤師国家試験受験資格を取得できる医療薬学科では、最先端のチーム医療に関わる病院薬剤師や、調剤大手の第一線で活躍する道が主流ですが、製薬企業での開発・MR職や公務員、難関大学院への進学実績も豊富です。
・病院(高度医療・地域中核機関)
近畿大学病院や近畿大学奈良病院といった身近な附属病院をはじめ、大阪公立大学医学部附属病院、和歌山県立医科大学附属病院、大阪府立病院機構、大阪赤十字病院、住友病院、松下記念病院などの地域中核・高度医療機関への採用実績が多数あります。
・製薬企業(臨床開発・MR職など)
アストラゼネカ 、ノバルティスファーマ 、アステラス製薬、 エーザイ、 大塚製薬、 小野薬品工業、 塩野義製薬、 大鵬薬品工業、 中外製薬などの大手製薬メーカーに、専門スキルを活かして就職しています。
・薬局・ドラッグストア(業界大手)
アイン薬局、日本調剤、クオール、総合メディカル、スギ薬局、マツキヨココカラ&カンパニー、ウエルシア薬局など、全国規模の調剤・ドラッグストアチェーンへの進路も非常に強固です。
・公務員および大学院進学
防衛省自衛隊、京都府、大阪市などの公的機関に就職する学生や、さらに高度な薬学研究を目指して近畿大学大学院、東京大学大学院、奈良先端科学技術大学院大学などの難関大学院へ進学する道も開かれています。
近畿大学薬学部へのアクセス
近畿大学薬学部の東大阪キャンパスへは、主に次の駅からアクセスします。
・近鉄大阪線「長瀬駅」
・近鉄奈良線「八戸ノ里駅」
近畿大学薬学部がある東大阪キャンパスは駅前型の立地ではなく、最寄り駅から徒歩またはバスを利用して通学する環境です。
長瀬駅からキャンパスまでは、学生向けの飲食店や店舗が立ち並ぶ「近大通り」を通って徒歩約10分です。
一方、八戸ノ里駅からは徒歩で約20分かかるため、近鉄バスの路線バスや近畿大学への直行バスを利用する学生も多くいます。
近畿大学は多くの学生が通う大規模な総合大学のため、通学時間を調べる際は、電車の乗車時間や徒歩時間だけでなく、朝の混雑も考慮しましょう。
特に1限目の授業開始前は、長瀬駅からキャンパスへ向かう近大通りや、八戸ノ里駅からのバスが混雑する可能性があります。
オープンキャンパスに参加する際は、実際に自宅からキャンパスまで移動し、医療薬学科であれば6年間、創薬科学科であれば4年間、無理なく継続して通学できるか確認することをおすすめします。
近畿大学薬学部が向いている人
近畿大学薬学部は、次のような受験生に向いています。
・薬剤師を目指すだけでなく、創薬や製薬企業への就職も考えている人
・大規模な総合大学で多様な学生と学びたい人
・病院、薬局、製薬企業、CRO、公務員など幅広い進路を検討したい人
・薬学部以外の学生とも交流したい人
・大学病院など医療系学部との連携を重視したい人
・関西圏で薬学を学びたい人
・一般選抜で複数の日程・方式を活用して受験したい人
・東大阪キャンパスまで無理なく通学できる人
・6年間の薬学教育に加えて、研究や大学院進学も視野に入れている人
一方で、次のような場合は慎重に検討しましょう。
・少人数制の薬学部を希望している人
・駅からすぐのキャンパスを希望している人
・朝の通学時間帯の混雑が大きな負担になる人
・薬学部以外の大規模な学生コミュニティに馴染みにくいと感じる人
・化学を中心とした理系科目に大きな苦手意識がある人
・大学入学後はあまり勉強したくないと考えている人
近畿大学薬学部は、薬剤師養成を目的とする医療薬学科に加え、創薬科学科も設置されており、薬剤師、研究者、製薬企業、公務員など幅広い進路を検討できる点が特徴です。
一方で、医療薬学科では6年間にわたって継続的な学習が必要になります。
偏差値や大学名だけで決めるのではなく、自分が目指す進路に合った学科を選び、オープンキャンパスなどでキャンパスの立地、学生の雰囲気、授業や実習環境まで確認したうえで志望校を決めましょう。
近畿大学薬学部に関するよくある質問
近畿大学薬学部では薬剤師になれますか?
近畿大学薬学部には、6年制の医療薬学科と4年制の創薬科学科があります。
薬剤師を目指す場合は、6年制の医療薬学科で所定の課程を修了し、卒業することで薬剤師国家試験の受験資格を取得できます。
一方、創薬科学科は4年制のため、卒業しても薬剤師国家試験の受験資格は取得できません。
近畿大学薬学部は共学ですか?
近畿大学薬学部は男女共学です。
数学Ⅲを履修していなくても受験できますか?
2027年度の一般選抜では、数学Ⅲを履修していなくても一般選抜を受験できます。
2027年度は前期A・後期でも数学Ⅲを含まない『数学①』を選択できます。
前期Bも数学Ⅲを出題範囲に含みません。
ただし、数学Ⅲを必要としない方式でも、数学Ⅰ・A・Ⅱ・B・Cの基礎を十分に身につけておくことが重要です。
化学以外の理科科目でも受験できますか?
2027年度の一般選抜では、化学以外の理科科目でも受験できる方式があります。
前期A日程のスタンダード方式と理科重視方式では、物理、化学、生物から1科目を選択できます。
また、共通テスト利用方式(前期・3教科型)でも、物理、化学、生物から1科目を選択できます。
ただし、共通テスト利用方式(前期・5教科7科目型)では、物理、化学、生物から2科目を選択する必要があります。
近畿大学薬学部では、一般選抜において化学が必須ではありません。物理や生物を選択する場合は、自分の得意科目や志望校との併願状況を踏まえて受験方式を選びましょう。
ただし、薬学部に入学後は化学の知識が必要になるため、高校で化学を履修していない場合は、入学後を見据えて基礎的な化学を学んでおくことをおすすめします。
医療薬学科と創薬科学科の違いは何ですか?
医療薬学科は6年制で、薬剤師の養成を目的とした学科です。
薬剤師国家試験の受験資格を取得し、病院や薬局、ドラッグストアなどで薬剤師として働くことを目指す人に向いています。
一方、創薬科学科は4年制で、創薬研究や医薬品開発、製薬企業への就職などを目指す学科です。
大学院進学を視野に入れながら、研究を中心とした進路を考えている人に向いています。
近畿大学薬学部に合格するには何割必要ですか?
2026年度一般選抜の合格最低得点率は、入試方式によって約56.7〜70.0%でした。
・前期A(スタンダード):63.3%
・前期A(理科重視):60.3%
・前期B(スタンダード):56.7%
・前期B(理科重視):58.5%
・後期:70.0%
・共テ併用A日程:69.4%
・共テ併用B日程:57.6%
入試問題の難易度や志願者の状況によって、合格最低点は毎年変動します。
そのため、最低点ぎりぎりを目標にするのではなく、過去問演習では65〜70%以上を安定して取れることを一つの目標にするとよいでしょう。
特に前期A・Bの日程や理科重視方式では、過去問で安定して70%前後を取れるようになれば、合格可能性を高めやすくなります。
ただし、後期や共通テスト併用A日程は2026年度に合格最低得点率が高くなっているため、方式ごとの過去の合格最低点を複数年分確認し、自分の得意科目や共通テストの得点状況に合った方式を選ぶことが重要です。
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