卒業しても薬剤師になれないリスクがある薬学部とは?— “合格率の見方”と大学選びのチェックリスト【保存版】

薬学部志望の高校生やその保護者様へ。
薬学部受験専門塾 PharmAssist(ファーマシスト) 代表・寺沼香太朗です。
これまで100名以上を薬学部合格へ導き、2024年度は**第一志望合格率100%**を達成しました。

本記事では、「卒業しても薬剤師になれないリスク」 というセンシティブなテーマを、炎上覚悟・忖度なしではありつつも、事実に基づき冷静に解説します。

ポイントは、合格率の“指標の違い”を正しく理解し、数字の見せ方に惑わされないこと。
加えて、実際に起こり得るリスク要因大学選びのチェックリストをまとめました。

※大学別の最新合格率は毎年変動します。出願前に必ず公式発表の最新データを確認してください(厚生労働省の全国集計・大学別集計など)。 (厚生労働省)


目次

1. まず「指標の違い」を理解する:3つの合格率

薬剤師国家試験に関する合格率は、大きく3種類あります。

  • ① 国試合格率(総合):その年の受験者に占める合格者の割合(新卒+既卒を含む)。国全体の最新(第110回・2025年)は68.85%。 (厚生労働省)
  • ② 新卒合格率:**現役6年生(新卒)**に限定した合格率。全国では新卒の方が既卒より概して高い。 (厚生労働省)
  • ③ “ストレート合格率”入学→6年以内に一度も留年・休学・卒業後浪人をせずに国試合格に到達した割合。
    概念としては広く使われますが、公的に統一・標準化された公表形態ではないため、出典や定義の確認が重要です。

注意点:新卒合格率は“6年生として受験に到達した層”の合格率であり、途中の学年で進級・卒業判定により受験に到達できなかった層は母数に含まれません。数字そのものは事実でも、**見える母数が「選抜済み」**である可能性には注意が必要です。


2. なぜ「ストレート合格率」を重視すべきか

ストレート合格率には、途中の学年での進級判定や留年・休学などのふるい落としの影響が可視化されやすいという長所があります。
新卒合格率が高くても、進級時点で多くが脱落していれば、「入学者全体」から見た薬剤師到達割合は低いまま、というケースがあり得ます。

  • 既卒合格は新卒より難度が高く、合格率も低く出る傾向(厚労省公表でも歴年で新卒>既卒)。「新卒で決める」戦略が王道
  • したがって、**“入学時点から6年でどれだけ到達したか”**を見る「ストレート」の視点が、受験生・保護者にとって実用的なリスク指標になります。

ただし、ストレート合格率は大学ごとの開示方法・算定基準が統一されていない場合があります。出典・定義を必ず確認し、複数年の推移で見るのが安全です。


3. 「見えないふるい落とし」— 進級・共用試験・卒業判定という関門

薬学部では、進級試験/共用試験(CBT・OSCE)/卒業試験など、国試前に大きな関門が複数回あります。

  • CBT・OSCE(薬学共用試験):5年次の実務実習前に**知識(CBT)技能・態度(OSCE)**を全国共通の基準で確認。これに通らないと実習に出られず、留年につながる場合があります。
  • 6年前期〜卒業試験卒業判定が国試受験の前段階に位置付けられるため、卒業に到達できない=新卒の母数に入れないという構造が生まれます(制度としては正当でも、合格率の見え方に影響)。

この構造を理解しておくと、新卒合格率だけが高い大学の数字をうのみにしないという判断ができるようになります。


4. “薬剤師になれないリスク”の具体例と注意喚起

4-0.薬剤師になれないリスクの具体例

ここからは、実際に「ストレート薬剤師国家試験合格率」が極端に低い大学を紹介します。
「ストレート合格率」とは、入学から1度も留年せずに国家試験に合格した割合を示す指標です。
薬剤師になれるかどうかを最もリアルに反映している数字といえます。

📊 ストレート合格率ワーストランキング(全国)

順位大学名ストレート合格率
1位姫路獨協大学14.9%
2位千葉科学大学21.1%
3位日本薬科大学22.3%
4位青森大学25.6%
5位第一薬科大学29.1%
6位広島国際大学30.5%
7位岩手医科大学31.3%
8位大阪大谷大学31.9%
9位兵庫医科大学32.1%
10位城西大学34.8%
11位横浜薬科大学35.3%
12位城西国際大学36.1%
13位九州医療科学大学39.1%
14位新潟薬科大学40.8%
15位松山大学40.0%
16位奥羽大学41.6%
17位医療創生大学41.7%
18位帝京平成大学44.4%
19位鈴鹿医療科学大学46.3%
20位就実大学49.2%

📝 コメント

  • 全国平均ストレート合格率は 約58.9%
  • 上記の大学はすべて 全国平均を大きく下回っており、進学すると薬剤師になるリスクが極めて高い といえます。
  • 特に姫路獨協大学や千葉科学大学は「5人に1人しか薬剤師になれない」という水準であり、進学先としては避けるべき大学といえるでしょう。

4-1. 学部そのものが縮小・停止するリスク

  • 姫路獨協大学 薬学部2025年度から入学者募集を停止。在学生の卒業までは存続するものの、新規入学の選択肢としては消滅しました。こうした組織の縮小・停止は、学修体制や士気、就職サポートにも波及し得るため、最新情報の確認が必須です。 (himeji-du.ac.jp)

4-2. 数字の“見え方”による誤解

  • 「国試合格率90%」という表現が新卒合格率を指しているだけだと、途中で卒業・受験に到達しなかった層が不可視になり得ます。数字の定義・母数を確認してください。

4-3. 既卒化の増大(“卒業後浪人”)という負担

  • 既卒の合格率は歴年で新卒より低い傾向。学費・生活費の追加、モチベーション維持の難しさなど、心理的・経済的コストも無視できません。

まとめると、「新卒合格率が高い=入学者が薬剤師になりやすい」とは限らないのが現実です。入学〜卒業〜国試までの脱落率を推定できる情報(=ストレート指標や進級・卒業到達率)を重視しましょう。


5. 大学選びのための「実務的チェックリスト」

A. データの見方(最低ライン)

  1. 直近3年の新卒合格率(全国平均との比較)
  2. ストレート合格率(算定定義・母数の確認、可能なら複数年推移)
  3. 5年次進級率/卒業到達率(大学公表・説明会で確認)
  4. 既卒合格率の推移(既卒者向け支援の有無も要確認)

B. 学修・支援体制

  • CBT/OSCEへの準備カリキュラム不合格者への再履修支援の仕組み(講座、メンタル支援)
  • 卒業試験の設計(範囲・再試制度・補講・個別指導)
  • 国試チュートリアル/模試実施回数/既卒フォロー体制

C. 環境と費用

  • 6年間の総額学費/実習費/諸会費/特待制度(初年度納入金だけでなく総額で)
  • 立地と通学・住環境(学修時間の確保、実習先のアクセス)

受験生・保護者面談での実感として、**「ストレート合格率が全国平均(例:直近報道では6割弱〜6割台)を安定的に超える」**大学は、進級・卒業・国試の導線が比較的整っている印象です。全国平均の最新は厚労省の大学別資料・年報で確認を。


6. よくある誤解と正しい理解

Q. 「偏差値が高い=薬剤師になりやすい」?
A. 一概には言えません。進級・卒業の運用(支援体制)と学修習慣が鍵。偏差値は入口の指標に過ぎません。

Q. “ふるい落とし”は悪いこと?
A. 実務・安全性を重視する職能上、一定の学修基準を満たす仕組みは必要です。ただし、支援の厚さ情報開示の丁寧さには大学差があります(ここに「学生とのミスマッチ」が生じやすい)。

Q. データが見つからない場合は?
A. オープンキャンパス・個別進学相談で直接質問しましょう。**「定義付きの数字」**を要請するのがコツです(例:「入学者に対する6年以内国試到達割合の直近3年平均」など)。


7. ケーススタディ:情報リスクをどう避けるか

  • 学校組織の変化(学部の再編・縮小・募集停止など)は将来リスク。2025年度以降の姫路獨協大学 薬学部の募集停止のように、選択肢自体が消える事例もあるため、直近の発表を必ず確認。
  • ストレート指標の不統一という“情報のばらつき”があるなかで、複数年・複数指標の突き合わせを徹底する。
  • 既卒率の高さは、6年での到達難度サポート不足のシグナルである可能性。新卒>既卒の構造を踏まえ、「6年での到達」を最優先に設計する。

8. まとめ:目的は「入学」ではなく「薬剤師としての到達」

  • 数字の定義を読む:総合/新卒/ストレートの違いを理解。
  • プロセスを見る:進級・共用試験・卒業の支援体制、既卒フォロー。
  • 最新情報で判断:厚労省の第110回データなど、直近の公表値を必ず確認。

受験校選択のゴールは**「合格偏差値」ではなく、「6年で薬剤師に到達できるか」**です。
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参考:
・第110回 薬剤師国家試験 結果・大学別データ(厚生労働省) (厚生労働省)
・薬学共用試験(CBT/OSCE)の位置づけ(薬学共用試験実施機構 資料 等) (phcat.or.jp)
・“ストレート合格率”の概念(解説記事) (薬ステップ –)
・姫路獨協大学 薬学部の募集停止(大学公式発表・業界ニュース) (himeji-du.ac.jp)

※個別大学名の“ストレート合格率”は開示の仕方・算定基準が大学や媒体により異なるため、必ず出典・定義・最新年版を確認してください。

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代表 寺沼香太朗

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この記事を書いた人

寺沼 香太朗のアバター 寺沼 香太朗 薬学部受験専門塾PharmAssist代表

薬学部受験専門塾 PharmAssist (ファーマシスト)代表の寺沼香太朗です。
薬学部受験の主要科目である、英語・数学ⅠAⅡB III C・化学・生物・面接・小論文の指導を行っております。
薬学部に特待合格した指導力の高さと、薬学部に特化した受験ノウハウ、教育コーチングを活かした学習マネジメントが指導の武器となっており、薬学部を目指す全ての高校生をアシストすることを信念に授業を行っております。

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